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初心者向け!OpenVASの使い方:インストールからスキャン実行まで完全解説

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OpenVASとは

OpenVAS(Open Vulnerability Assessment System)は、ネットワークやシステムの脆弱性を検出するためのオープンソースツールです。脆弱性とは、システムのセキュリティホールのことで、攻撃者に悪用されるリスクがあります。このリスクを軽減するために、定期的な脆弱性診断が重要です。

OpenVASは以下のような特徴を持っています:

  • 無料で利用可能
  • Webインターフェースを使用した直感的な操作
  • 定期的に更新される脆弱性データベース(NVTデータベース)

例えば、自宅の鍵が壊れていることを知らずに放置するのと同じように、脆弱性を放置することはセキュリティ事故の原因となります。OpenVASを使って、定期的な診断を行いましょう。

OpenVASの役割

OpenVASは、ネットワークやシステムの脆弱性をスキャンして検出するツールです。その目的は、攻撃者に悪用される前に脆弱性を特定し、修正することです。

他のツールとの違い

  1. Webアプリケーションスキャンツール(例:OWASP ZAP、Burp Suite)
    • WebサイトやAPIに特化して脆弱性を検出するツール。
    • SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったWeb特有の攻撃に焦点を当てます。
    違い: OpenVASはネットワーク全体やサーバーの脆弱性をスキャンするツールで、Webアプリケーションスキャンは主にWeb関連の脆弱性に特化しています。
  2. ネットワークスキャンツール(例:Nmap)
    • ネットワーク上のホストをスキャンし、オープンポートや利用可能なサービスを検出します。
    • 脆弱性診断よりもネットワークの可視化や構造把握に適しています。
    違い: OpenVASはネットワーク上のホストに存在するセキュリティ脆弱性を評価する機能を持ちます。一方、Nmapは脆弱性診断ツールではなく、ネットワーク調査ツールです。
  3. エンドポイント保護ツール(例:アンチウイルスソフトやEDR)
    • エンドポイント(PCやサーバー)におけるリアルタイム保護や侵入防止を行うツール。
    • 現在進行中の攻撃や既知のマルウェアを防御するのが主な役割。
    違い: OpenVASは攻撃の防御ではなく、システムの脆弱性を検出し、その修正を促すための診断ツールです。

OpenVASが得意とする領域

  • ネットワーク全体の診断: サーバー、ネットワーク機器(ルータ、スイッチ)、IoTデバイスなどのセキュリティホールをチェックします。
  • 幅広い脆弱性スキャン: OpenVASは最新の脆弱性データ(NVT: Network Vulnerability Tests)を活用し、既知の脆弱性を幅広くスキャンします。
  • 統合的なレポート機能: スキャン結果をレポート化し、どのような修正が必要か具体的に提示します。

具体的な使用例

  1. ネットワークスキャン:
    • 社内LAN内のサーバーやネットワーク機器のセキュリティホールをチェック。
  2. 外部アクセススキャン:
    • インターネットからアクセス可能なサーバーが攻撃者にとって危険な状態にないか確認。
  3. 継続的な脆弱性管理:
    • 定期的にスキャンを実施し、新たに発見された脆弱性に対応。

Kali Linuxへのインストール

必要な事前準備

まず、Kali Linuxが正しくインストールされ、ネットワーク接続が問題ないことを確認してください。Kali Linuxはセキュリティ診断ツールを多数内蔵した人気のOSです。

インストール手順

  1. パッケージの更新
    sudo apt update && sudo apt upgrade -y
    パッケージを最新の状態に保ちます。
  2. OpenVASのインストール
    sudo apt install openvas -y
  3. セットアップスクリプトの実行
    sudo gvm-setup
    このコマンドで必要なデータベースや設定が行われます。

注意点

  • セットアップには時間がかかる場合があります。
  • ネットワークが遮断されないように注意してください。

OpenVASの初期セットアップ

セットアップスクリプトの詳細

gvm-setupスクリプトを実行すると、以下が行われます:

  • データベースの作成
  • 脆弱性データ(NVT)のダウンロードと更新

初期ユーザーの作成とログイン

セットアップが完了すると、ログイン情報が表示されます:

Admin password: <password>


この情報を使用して、Webインターフェース(GSA)にアクセスします。

動作確認

ブラウザで以下のURLを開きます:

https://<IPアドレス>:9392

ログインできれば、セットアップ完了です。

スキャンタスクの作成と実行

スキャン対象ホストの登録

  1. GSAにログイン。
  2. 「Targets」メニューから「New Target」を選択。
  3. スキャン対象のホスト名やIPアドレスを入力します。

スキャンタスクの作成

  1. 「Tasks」メニューから「New Task」をクリック。
  2. 作成したターゲットを選択し、タスクを設定。

スキャンの実行

タスクを開始し、進行状況を確認します。スキャン結果は「Reports」セクションから閲覧可能です。

ローカルスキャンの実行

ローカルスキャンでは、コマンドラインを使用して簡単に実行できます。

openvas-nasl -X -B -t <target_ip>

ポイント
  • ローカルスキャンは、Webインターフェースを使用せず、素早くチェックする際に便利です。
  • 詳細なレポートは、後でGSAから確認できます。

トラブルシューティング

よくある問題

  • 「スキャンが0%で止まる」問題
    • 解決方法:sudo gvm-check-setupを実行して、エラー内容を確認します。
  • ログの確認:bashCopy codetail -f /var/log/gvm/*

定期的な脆弱性診断の重要性

脆弱性を放置すると、次のようなリスクがあります:

  • 個人情報の流出
  • サーバーの不正利用

対策として、以下を実践しましょう:

  • 定期的にスキャンを実行
  • スキャン結果を基に迅速に対応
  • システム更新を怠らない

8. まとめ

OpenVASは、セキュリティ診断を始めるのに最適なツールです。初心者でも簡単にセットアップでき、強力なスキャン機能を提供します。これを機に、定期的な診断を行い、安全な環境を維持しましょう。